大事な床だから失敗したくない!
安心して任せられる、
フロアコーティング業者の選び方

現在、インターネットで“フロアコーティング”と検索すると、実に多くのサイトやホームページがヒットします。フロアコーティングはほとんどの人が人生で初めて行うものなので、どの業者がいいかなどわからないのが普通でしょう。また、コーティング名を独自の商品名にしているところも多いため、どの種類のコーティングを扱っているのかが見えてこない場合もあります。そこで、ここでは絶対に失敗しない、業者選びのポイントをまとめてみました。

何より大切なのは、専門業者に頼むこと

現在、フロアコーティングを行う業者は大きく分けて2種類あります。ひとつはリフォーム業者が業務の一つに加えているか、清掃業者が副業として行っているケースです。もうひとつは、フロアコーティングを専門に扱っている業者です。

ここは迷うことなく、専門業者に頼むべきと言えるでしょう。なぜなら、リフォーム業者は施工を下請けに任せるケースも多いため、こちらが支払う金額はそれほど変わらなくても、実際は下請け業者が安く請け負っているため作業が雑になることも。清掃業者も本業の片手間という感覚があるでしょうから、専門業者の信頼性や技術力とは比べものになりません。

フロアコーティングはリフォームや清掃とはまったく違う業務です。どちらかと言うと、「塗装」に近いイメージだと思っていただくとわかりやすいでしょう。

同じ塗装でも、外壁の塗装なら多少雑でもアラは目立ちません。ところが、家の中の塗装は、家具の塗装と同じで目線が近く、日常生活と密接に関わるところです。そのため、アラも目立ちますし、足は床と接しているので、少しでも引っかかりやムラがあると気になるでしょう。そのため、かなり高いレベルの技術が必要とされるのです。

また、フロアコーティングの施工は膨大なフローリングの知識を持ち、湿度や気温なども加味しながら、個々のケースに合わせて対応していなければならない複雑な作業です。なので、あらゆるケースに対応でき、確かな技術とノウハウを持った専門会社でなければ難しいのです。

専門業者でも、値段が安すぎる場合は要注意!
溶液の安全基準「F☆☆☆☆」取得はマスト

フロアコーティングは一度塗ってしまうと、やり直しのきかない施工です。専門業者のなかには、値段の安さで勝負しているような業者も見受けられますが、安さを一番にうたう業者こそ要注意です。施工直後はよくても、数年後に不具合が生じ、補修の連絡をしてみたら会社自体がなくなっていた、というケースもあります。最悪の場合は、床自体が傷み、フローリングの張り替え以外に方法がなくなる場合も。

フロアコーティングは数十年という長い時間にわたって床を守るものなので、施工直後はもちろんのこと、将来的にも安心できる優良業者を選ぶことが大切です。フロアコーティングで使う溶液の安全基準である「F☆☆☆☆」(フォースター)を取得しているかどうかも、健康と安全に気を配っている業者かどうかを見分けるための大きな判断ポイントになります。

また、フロアコーティングはどんなに技術力のある会社でも、思わぬトラブルが発生する可能性が否定できないサービスです。ですから、施工前に入金を求める業者はなるべく避けたほうがいいでしょう。施工後の仕上がりをしっかりと確認し、納得できたうえで支払いをした方がトラブルを避けるうえでも安心です。

優良業者を選ぶためにすべきこと

その1)ホームページの内容を確かめる
コーティングの種類が明確で、成分表や試験表など安全性にまつわる客観的なデータを公表しているかが大事なチェックポイントになります。また、作業工程のフローチャートや施工実績のページがあればなお信頼性が増します。一般の人が一番わからない部分であるため、ここがしっかり説明されているかどうかで、親切な会社であるかどうかを判断できるからです。

そして一番見落としがちで、大切なのが「会社情報」のページを見ることです。ここは後述する「保証内容」や「アフターサービス」にも関わってくる大事な部分です。フロアコーティングにはほとんどの場合、何十年という保証が添えられています(そもそも、はじめから保証自体がない会社は論外と考えてください)。会社情報を見て、設立年数や資本金から、その業者の企業としての“基礎体力”を推察することができます。10年後、20年後に、現在掲げている保証内容をきちんと果たせるかどうかが肝になります。

その2)資料やサンプルを取り寄せる
気になる業者がいくつかあったら、すべての会社から資料やサンプルを取り寄せ、比較してみるのがいいでしょう。それによって、その会社の強みや売りがわかるはずです。また、実際にサンプルに触れてみて、その質感や強度を確かめることで施工のイメージがわきやすくなります。ただし、悪質な業者ではサンプルに使うコーティングと、実際の施工に使うコーティングの質が違う場合もあるので、あくまでもここではイメージをつかむ参考までに、と考えておいたほうがいいでしょう。

その3)保証内容やアフターサービスについて詳しく聞いてみる
保証期間とアフターサービスの詳しい内容を直接、質問することは欠かせません。ほとんどの業者は保証期間を設けていますが、アフターサービスの内容はまちまちです。保証期間中、どんなトラブルであれば無償メンテナンスをしてくれるのか、逆に無償メンテナンスの対象にならないケースはどんなものか、ホームページや資料だけではわからない箇所を、メールなり電話で問い合わせてみてください。その時の応対の迅速さや丁寧さ、わかりやすさによって、業者の姿勢が明確に見えてくるはずです。また、希望する床のイメージや質感を伝え、要望に応えられるか、選択の幅があるかどうかも大事なチェックポイントです。決して安い出費ではない分、ここで受け身にまわっていてはいけません。

その4)本社やモデルルームを訪れる
フロアコーティングは安価なものではないだけでなく、大きなリスクをともなう工事の一環でもあります。ですから、契約前にはできるだけ、本社やモデルルームに足を運ぶことが大切です。そこで断ってくるような会社であれば、疑う余地ありです。残念ながらホームページだけが立派で、実体がまったく違う会社が存在する業界だということを忘れてはいけません。反対に、きちんとしたコーティング会社であれば、当然のように快く受け入れてくれるでしょう。
モデルルームでは、小さなサンプルではわかりにくい全体の雰囲気や仕上がりを体験することができます。実際に部屋に入り、床の上を歩いてみると、「もっとグリップ力がある方がいい」とか、「艶なしを希望していたけれど、ツヤツヤの床に一目惚れした」というように、求める方向性に変化が起こるかもしれません。これは、実際に部屋に足を運んでみなければわからないことなので重要です。また、直接顔を合わせて、疑問点や不安を相談できることも大きなメリットです。

悪質な業者の見分け方、その手口や対応ぶり

フロアコーティングに参入する業者の中には、残念ながら、悪質と思われる業者がいるのも事実です。そんな悪質業者の被害にあわないためにも、その手口やトラブルの実例を一部ご紹介します。当てはまる要素がひとつでもあれば、冷静になって検討しなおす必要があります。

◇他社の商品に似せた名前のコーティングを使っている
大手他業のフロアコーティングと似たような名前をうたい、同等品であるかのようにして販売する業者がいます。また、シリコンコーティングに紫外線カット効果を付け、「UVコーティング」に似せるというような手口で、施工契約を結ぼうとする業者も過去にはありました。ですから、まぎらわしい名称や説明には要注意です。

◇他社との比較ばかりしてくる
「○○社とまったく同じコーティングで、同じ保証年数で、うちは○万円安い」といったセールストークをしている業者も要注意です。フロアコーティングはもともと4種類しかありません。ですから、重要なのは施工者の技術だけだと言ってもいいでしょう。同じガラスコーティングであっても、業者が異なればまったくの別物と考えた方が無難です。値段や保証といったものに勝負をかけていること自体があやしいポイントです。

◇郵送するサンプルと、実際に施工するコーティングが違う
資料に同梱するサンプルと、実際に施工するコーティング塗料の質が違う業者もなかにはあるようです。サンプルは手軽にコーティングの質感や仕上がりを確認できる方法ではありますが、これだけで判断してしまうはかなり危険です。

◇施工後の不具合を責任転嫁して逃げる
施工後に起こった不具合を、もともとのフローリングの質や以前行われた補修作業を理由に、対応をいっさいしてくれない業者もあります。こうした会社は保証年数が長くでも、実際には免責事項だらけだったり、そもそも具体性がなかったりします。何か問題が起こったときに、逃げやすいようにあらかじめ抜け穴だらけにしているのです。こういった業者に遭遇しないためにも、契約前に必ず保証内容や適応範囲についてしっかりと確認することが大切です。

◇補修対応には来てくれるが、実際には直せない
はっきり悪質とは呼べない微妙なケースもあります。補修に呼べば来てくれるものの、結局は「直すことができない」と言われるケースです。うがった見方をすると、そういった業者のなかには、はじめから直す技術も直そうという意志もないところがあります。連絡もくれるし、来てもくれるため、「不誠実だ」と責めにくい、客側からすると厄介なパターンです。

◇貧しい技術で補修し、フローリングを傷めてしまう
事前にサンプルをつかった検証をしないままぶっつけ本番で施工を行い、現場で収拾がつかなくなるケースもあります。ひどいパターンになると、フローリングを痛めた挙句、現場放棄してしまう業者も。これは比較的規模の小さい会社や新規参入した業者に多くみられるようです。たとえ全額返金してもらえても、中途半端な状態で放棄されたフローリングの補修ややり直し費用は依頼者に跳ね返ってきます。

◇数年ごとに会社を設立し直す業者
きわめて稀な例ですが、過去には数十年の保証をうたっていながら、クレームなどのトラブルが多発すると、会社をつぶし、別名義で新しい会社をおこすというのを繰り返す業者もあったそうです。社歴を長く見せるため、休眠会社を買い取って会社をつくるという巧妙な手口を使うこともあるため、少しでも怪しさを感じたら、近づかないようにしましょう。

まとめ

たくさんあるフロアコーティングの会社ですが、業者が乱立しているため、ただ安いだけをうたい文句に、技術力の低い施工をする業者もないわけではないようです。

安さにつられて安易に選んでしまうと、結局は大幅な費用がかかってしまうこともあります。また、大切な我が家のフローリングを見るも無残な状態にされたら、精神的なショックやストレスは計り知れないですよね。基本的に施工は一度きり…だからこそ紹介ページや価格表だけでなく、自分自身の目と感覚でしっかりと業者の質とを見極めることが大切です。

「少しでも迷っているうちは契約を結ばない」など、自分だけの決まりをつくっておくといいかもしれません。

ちなみに専門的な裏話になりますが、フロアコーティングの中でも、ガラスコーティングを取扱う会社が多い理由は、塗料の流通量が多いこと、また、UVコーティングのように特別な設備機材がいらない施工のしやすさがあるからだそうです。また、被膜の薄いこのコーティングは傷やほこり混入などのアラが見つかりにくいため、施工業者にとってもリスクが少ないそうです。ガラスコーティングが気に入って施工するならいいのですが、無理やりガラスコーティングにもっていこうとする業者にも注意してください。

せっかくお金を出して施工するのなら、妥協せず、誠実な対応をしてくれる業者を選びたいですね。