フロアコーティングのプロに聞く、
Q&A

床をきれいに保つものと言えばワックスが一般的でした。当然、「フロアコーティング」というものをまったく知らなかった、初めて聞いた、という方も多いのではないでしょうか? そこで、ここではフロアコーティングについてもっと詳しく知りたい方のために、素朴な疑問やよく寄せられる質問などを、フロアコーティングに詳しい専門家の方に聞いてみました。これを読めば、フロアコーティングがより身近に感じられるはずです。

何より大切なのは、専門業者に頼むこと

Q.施工するには、何日も家を開けないといけないの?
A.そのようなことはありません。床の状態や施工面積、気温や湿度などの状態で多少前後しますが、基本的には一日で完了します。ですので、日中、外に出かけていただければ、家に帰ってすぐ、きれいな床でくつろぐことができます。特にUVコーティングの施工は、照射機で光を当てるとすぐに完全硬化するので、他の種類のコーティングよりも早く作業が終わります。時間で言えば、朝の8時から初めて、夕方の6時頃には終わるイメージです。
Q.施工中の立ち会いは必要?
A.業者さんによっても若干違いますが、開始と終了の各30分ほど立会っていただくケースが多いようです。施工中は外で自由に過ごしていただき、進捗をみて、施工担当者が携帯電話に完了時刻の連絡を入れるのが一般的です。
Q.コーティングをしたら、しばらくは床に気をつけて生活しなければいけないの?
A.ガラスコーティング、ウレタンコーティング、シリコンコーティングの場合、硬化に時間がかかり、水分や薬品にも弱いため、1週間から1カ月間は配慮が必要です。UVコーティングの場合は水を通さず、薬剤にも反応しませんので、すぐにいつも通りの生活を送っていただけます。
Q.使ってはいけない洗剤はありますか?
A.ガラスコーティング、ウレタンコーティング、シリコンコーティングは、塩素系の漂白剤や除菌剤に溶けてしまう恐れがあります。これらを使う場合は床にこぼしたり、飛び跳ねたりしないように注意が必要です。UVコーティングは、一般家庭で使うあらゆる洗剤や薬剤に溶けることはないので、何も気にせず使用できます。
Q.ラグやマットを敷いても大丈夫?
A.基本的には問題ありません。ただし、ガラスコーティング、ウレタンコーティング、シリコンコーティングの場合、水分に弱いという特徴があるため、水をこぼしてそのままにしたり、機密性の高いビニール素材の敷物を敷くと水分がこもってしまうため、まれにコーティングが白化したり、カビが生えることがあります。UVコーティングであれば、水に強く、またUV加工をすることで抗菌作用が認められているため、そのような心配はありません。
Q.家を新築中です。どのタイミングでフロアコーティングを導入するものですか?
A.家の間取りを決め、床材を決めたあたりで併用して考えるパターンが多いようです。たとえば、床材のランクを少し落として、その分、フロアコーティングでしっかり補強しておこうという考え方もできます。とはいえ、家が完成して、引っ越しの日程が決まり、家具やカーテンなどの備品を準備する段階になってからフロアコーティングを考え始める方もいらっしゃいますね。いずれにしても、床が新しく、家具もまだ入っていない状態で施工できるので、新築時はフロアコーティングをかけるのにベストなタイミングです。
Q.築15年の家に住んでいます。新築ではない家の床でもできますか?
A.もちろん可能です。施工業者に聞くと、実は新築よりも、何年も住まわれている方からのお問い合わせが、5年前頃に比べて2.5倍と急増しているそうです。床の補修や洗浄の必要がある場合もありますが、その後の工程は新築の床を施工するのと同じです。とはいえ、床の状態があまりよくない場合、ガラスコーティング、ウレタンコーティング、シリコンコーティングでは、硬化しきるまでの一定期間、塗膜が弱い状態が続きます。ですから、その場合は瞬間的に硬化し、すぐに保護機能を見込めるUVコーティングがおすすめです。
Q.床が黒ずみ、かなり汚れています。また、ところどころに傷もあります。そんな状態でもフロアコーティングをすることは可能ですか?
A.きちんと工程を踏めば問題ありません。まずは床の状態をきちんと見極めることが大切です。黒ずみの原因はワックスの上に汚れが蓄積したケースが多いのですが、その場合、初めに「ワックスの剥離」を行います。傷についてもコーティングすることで見えなくなる傷もあれば、部分的に補修した方がいい場合もあります。そういう意味ではフロアコーティングだけでなく床全般に知識があり、総合的に対応できる会社を選ぶことが大切です。
Q.床暖房の入ったフローリングでも施工できますか?
A.問題ありません。熱が原因でコーティングが割れたり、はがれたりすることはありません。どの種類のコーティングでも、床暖房使用のフローリングに問題なく施工できます。また、コーティングが原因で床暖房の設備に不具合を起こすこともありません。
Q.小さな子どもとペットがいます。体に悪影響はありませんか?
A.施工会社の中には、改正建築基準法に準拠した「F☆☆☆☆(フォースター)」規格を取得し、シックハウス症候群の原因とされる13の化学物質を一切含まない素材を使っている会社があります。食品衛生法にも適合し、「そのまま舐めても一切問題がない、食器と同じレベルの安全性」が証明されているので、そういった安全性への配慮が充分になされている会社を選ぶことが大切です。
Q.シートフローリングでも施工できますか?
A.施工できます。とはいえ、知識や技術が不十分な業者では、間違った施工をして床をだめにしてしまうこともあります。事前にきちんとヒアリングや打ち合わせがあり、フローリングメーカーからサンプルを取り寄せ、テスト施工をしてくれるような優良業者を選ぶことが大切です。
Q.ワックスフリーのフローリングでも施工できますか?
A.問題ありません。ワックスフリー、またはノンワックスタイプと呼ばれるフローリングでも、フロアコーティングは施工できます。「ワックスフリー」という言葉で誤解される方が多いのですが、「ワックスをかけてはいけないフローリング」という意味ではありません。正しくは、「ワックスをかけなくても一定期間、美しさを保つことができるフローリング」という位置づけです。ですから普通にワックスをがけもできますし、フロアコーティングもできます。
Q.無垢材の床にコーティングしても大丈夫?
A.施工自体は可能です。ただし、コーティングをすることで光沢が出るため、無垢材本来のテイストを損ねる場合があります。とはいえ、最近では、無垢材へのコーティングに特化した、まったく新しいUVコーティングが開発されているので、そういった施工ができる業者を選ぶといいでしょう。
Q.大切な家なので絶対に失敗したくありません。いい業者を選ぶポイントは?
A.事前のカウンセリングがしっかりしていて、納得したうえで施工に入ってくれる業者さんが安心でしょう。また、これは一つの考えですが、後払いで決済を行う会社は安心です。あまり言いたくありませんが、なかには技術に乏しく、間違った施工をして、やり直しを求めても「できません」と逃げてしまう悪質な会社もないわけではありません。アフターケアがしっかりしていたり、料金を後払いにしている会社は、自社の施工技術に自信があるからこそ、そうしているケースが多いように思います。

まとめ

フロアコーティングと聞くと、何やら大がかりなイメージもありますが、意外と短時間で施工が終わります。これなら気軽に施工を検討することができますね。コーティングの種類にもよりますが、あらゆる床材に対応しているのも安心です。

一番大切なのは、安さにつられず、きちんとした業者を選ぶことです。気になった方は、実際にフロアコーティング業者に問い合わせてみて、その対応ぶりで判断するものひとつの手かもしれません。